横風のなかでの操舵性

初めてレギュラーリムハイトのホイールからディープリムホイールへ乗り換えた時の、自転車の進み具合のあまりの違いに感動した人は多いと思いますが、その興奮冷めやらぬなか、気になってくるのがディープリムの課題である横風状況かでのバイクの安定性です。

ディープリムホイールは面積の大きいリムサイドで風を受けてしまうため、ハンドルへかける力の加減でバイクを安定させなければいけません。特にカーブでは風の吹きつける角度(ヨー角)とともにリムサイドに生じる風圧が変化し、それにハンドルへの力の入れ具合をうまく合わせなければ狙ったラインでコーナーを通過することができません。エアロバーからハンドルに持ちかえたりするなどライン修正に費やす時間は、特にTTやトライアスロンでは致命傷になりかねません。

ロードライドでは突風が吹いたり建物などの障害物によって瞬間的に風向きが変わることが頻繁にあります。風向きの変化に対して操舵トルクが比例しないホイールでは、特にカーブなどでの正確なハンドリングが困難となります。下はSESほか各メーカーのフロントホイールに時速50kmの風を当て、異なる吹きつけ角度(ヨー角)で操舵トルクの変化を追ったグラフです。2種類のSESフロントホイールのヨー角と操舵トルクの関係はほぼ完璧にリニアとなっており、カーブやコーナーでの風の影響を予測しやすいデザインであることが一目瞭然です。



凡例:

ENVE SES 35
ENVE SES 60

Zipp 303 Firecrest
Zipp 404 Firecrest

平均的なカーボンチューブラー
平均的なカーボンクリンチャー