パワーキャルについてのよくあるご質問


Q: パワーキャルで心拍数も得ることができる?

    A: はい。通常の心拍ストラップ同様に、心拍の実数を発信いたします。

Q: ふつうのハートレートストラップとどう違うの?

    A: パワーキャルには急な心拍数の変化を俊敏に察知し、出力の急激な上昇や下降を推測できる、高度なパワー算出アルゴリ
       ズムが採用されています。パワーキャルが実際に「計測」するのは心拍数のみですが、これをワットやキロジュール、ピークパ
       ワーやFTPといった指標に「換算」することで、単なる心拍トレーニングから管理レベルを一段あげることが可能になります。
       まだパワートレーニングを真剣に検討しておらず、単純に古くなってきた心拍ストラップの買い替えを予定している方にも、一
       考の価値ある商品です。

Q: パワーキャルのパワー算出プロセスにユーザー個人の体力データを考慮させるキャリブレーションと
   いう作業は必要なくなったとのことですが?

    A: はい。2011年のパワーキャルの詳細発表後も、サイクルオプスとコロラド大学ボルダー校はさらに1年近くも膨大な走行データ
       の分析を進めると同時に、当時開発済みのアルゴリズムの見直しを行ってきました。そして、キャリブレーションプロセスがパ
       ワーキャルの推定パワー値の精度をさらに高めるという現象をもたらしませんでした。個人によってはキャリブレーションが
       パワー値の精度向上に大きく貢献した例もありましたが、キャリブレーションの有無にかかわらず、おしなべてターゲット範囲
       内の数値が得られたため、キャリブレーションは不要との結論に達しました。

Q: パワー関連のデータはどれくらい正確なのですか?

    A: 歪みゲージを用いてハブシェルの捻じれをダイレクトに検知するパワータップと違い、パワーキャルは心拍情報をベースに
       パワーを推定する機器で、業界最高精度を誇るパワータップには遠く及びません。研究では、パワーキャルを使用する個人、
       また使用するシチュエーションにデータ精度が大きく依存することが示されています。

Q: どんなシーンで使うのが一番正確なデータが得られますか?

    A: 比較的安定した心拍を維持できる長時間のロード走行(長距離タイムトライアルやトライアスロンのバイクパート)やヒルクライ
       ムなどで、平均データを取る使い方が最も有効とされています。一方で、心拍数の上下変動が激しい乗り方や短時間で終了
       する走行では、相対的にデータ精度は下がります。

Q: 心拍やケイデンスが一定になるように走行しているのに、パワー値が上下に大きく振れるのだけど

    A: パワーキャルは心拍の数だけでなく、他にも多くの要因を計算に取り込んでパワー値を算出する 製品です。心拍やケイデン
       スが一定の状況下でも、拍のパターンへの僅かな変化を検知し、その情報をアルゴリズムに取り入れることで、多様なシチュ
       エーションでパワーデータを模することができる仕掛けとなっています。


       たとえば、パワーキャルは一定ペースでの走行から一転もがいた時などに、心拍数の上昇を待つことなく、タイミング良く大き
       なパワー値を提示することができます。その反面、同じ理由から、時に実際のパワー値とはかけ離れた数値を算出してしまう
       こともあります。走行時にパワー数値が100~300Wといった範囲で上降するのはこのためで、一定の心拍に対して一定のパ
       ワーが算定されるものではありません。また時折、1000Wを超える過大な数値やペダルを回しているにもかかわらず0Wという
       表示が瞬間的に表示されることもありますが、これらは製品メカニズムの特性上、避けられないものとなっております。


       また、パワーキャルは一定ペースでの走行でより精度の高いパワーデータを算出し、逆にアタック合戦が繰り広げられるレー
       スや、ストップ&ゴーの多い街中でのライディングでは、データの信頼性は下がる傾向があります。


       これらのことから、パワーキャルはペーサー的な役割よりも、1時間以上の中・長時間の ライド全体のパワー平均値やNP値、
       TSS値などを参考にし、ライドの質と自身のフィットネスレベルを把握・分析するような使い方に威力を発揮する商品と言えま
       す。


       下の表は、ガジェット通で有名な米国のブロガー、Team Rodrigo氏によるパワータップとパワーキャルの同時計測の結果で
       す。同氏は両機器の数値の近似性を提示し、パワーキャルの性能に非常に高い評価を与えています。


       ■走行距離:約80km、時間:約3時間半でのデータ

     

    PowerTap (実測値)

    PowerCal (計算値)

    誤差

    パワー

    165

    175

    +6%

    TSS (トレーニング・ストレス・スコア)

    198

    215

    +8.5%

    NP(標準化パワー)

    198

    206

    +4%


    Data courtesy of TEAM RODRIGO


       こういった製品の仕組み・特徴をご理解いただき、パワータップなどの実測式パワーメーターが なくても、目安としてのパワー
       値を見ることができる手軽なアイテムとしてご愛用いただければ 幸いです。

Q: どんなユーザーに最適な商品なのですか?

    A:  パワーキャルはあらゆるタイプのサイクリストにメリットをもたらすよう開発されましたが、パワータップが計測する実際の
       パワー値とパワーキャルの推定パワー値の間にかい離があることから、以下のような方、シチュエーションに特にお勧めでき
       る商品です。


       ・心拍計を所有していない、または買い替えようとしている方。
       従来の心拍ストラップの購入よりは出費はかさみますが、心拍数以外にパワー、キロジュール(消費仕事量)、FTP(機能的
       作業閾値パワー)、NP(標準化パワー)、トレーニング・ストレス・スコア(TSS)などのパワートレーニングに欠かせない指標
       が得られます。今日、パワートレーニングはアマチュアの中級レベルのサイクリストにも急速に普及しつつあります。今すぐに
       これらの指標を管理したパワートレーニングを始める予定はなくても、自分のパワーの概算を目安として知っておいて損はな
       いでしょう。


       ・パワートレーニングを始めたいが、いきなり10万円超の本格機材に手を出すことに躊躇している方。
       すでに心拍トレーニングをしており、トレーニングを次のレベルへと昇華させたいのであれば、推定値とはいえ、手軽な価格
       でパワー値が得られるパワーキャルは非常にお勧めできます。


       ・すでにパワータップを所有しているが、レースではノーマルハブのホイールを使用している方。
       普段のトレーニングでは出せないようなパワーを出せてしまうのがレースというもの。せっかくの貴重なデータ収集の機会を
       みすみす逃す手はありません。パワータップ、とりわけ最新モデルのG3シリーズはすでにかなりの軽量設計となっており、
       重量面でのハンデはほとんどありませんが、レースでどうしても使いたいホイールがある場合、代わりにパワーキャルにデー
       タ取りを任せるのも一案です。


       ・家でトレーナー台を使用したり、ジムのエアロバイクを漕いだりと、フィットネス目的で自転車に乗っている方。
       ただ時間だけを決めてエクササイズするよりは、出力を目安にしたエクササイズのほうがはるかに高効率です。屋内で一定
       ペースでペダルを回すのはパワーキャルの得意とするシチュエーションです。また、消費カロリー(キロジュール≒キロ
       カロリー)を見ることができるのも、フィットネスには大いに役立つでしょう。

Q: パワーキャルに使用に適した体重というのはありますか?

    A: いいえ、パワーキャルを使用可能なライダーの体重範囲というものは特にありません。パワーキャルのパワー算出アルゴリズ
      ムの確立には、体力レベルや体格、年齢などさまざまなライダーデータが考慮されており、ユーザーが誰であれ、可能な限り
      高精度のパワーデータをはじき出すように設計されています。

Q: トライアスロンでパワーキャルを使いたいのですが、着用して泳いでも問題ありませんか?

    A: パワーキャルは防水設計にはなっていますが、水中での使用は避けてください。また水中で使用されて故障した場合、保証の対象外となりますのでご注意ください。

Q: 心拍を目安に効率の良いトレーニングはできないとずっと言われてきているけど、それでも心拍か
   らパワーが分かるの?

    A: 研究室など、すべての要因がコントロールされた空間では心拍とパワーに相関関係が存在することは事実であり、それ自体
       は新しい発見ではありません。ただ、外界ではさまざまな外的要因がその関係に影響を及ぼし、心拍からパワーを推測する
       ことが途端に困難になるのです。サイクルオプスとコロラド大学ボルダー校は何年にも渡り、屋外のあらゆる条件下での走行
       データを収集・分析し、そのような要因のひとつひとつを考慮する、心拍ベースのパワー算出アルゴリズムを開発したのです。

Q: キロジュール(消費仕事量)は心拍からの推定値ですか?それともパワー?

    A: キロジュールはパワーから計算されています。

Q: 使用開始後のユーザーの体力の向上や疲労、脱水現象といった心拍に影響を及ぼす要因もアルゴ
    リズムに組み込まれていますか?

    A: ユーザーの体力の変化については、パワーキャルのシステムをユーザーの最新の能力に適応させるキャリブレーションを定
      期的に行う必要があると考えていましたが、研究結果からは心拍を計算のベースとした時、こういった変化がパワー推定値の
      精度に及ぼす影響は、その他の多くの要因に比べると極めて小さなものであることが分かりました。言い換えれば、心拍をも
      とにした推定パワー値にはもともとデータの誤差があり、身体能力の変化による数値の変動幅はその誤差の範囲内であると
      いうことです。

      パフォーマンスの指標としてパワー値を持ち出す際、その他の変数に対してパワー値を見ることで、自身の進化の具合を見極
      めようとします。つまり、スピードやケイデンスといった他のメトリクスの相対値としてのパワー値を理解・分析することで、ユー
      ザーの体力の向上や疲労、脱水現象が生じさせるパワー値の誤差をある程度推測することができると考えられます。

Q: どんなサイクルコンピューターがパワーキャルと一緒に使えるの?

    A: パワーキャルの心拍およびパワー情報を表示させるには、サイクルコンピューター側が心拍およびパワーのANT+信号を受け
      ることが可能な設計である必要があります。他社製のANT+サイクルコンピューターのなかには、実際にはスピードや心拍の
      みがANT+対応で、パワーに関しては非ANT+のものもございます。また、すべてのANT+対応サイクルコンピューターにパワー
      表示機能が備わっているわけではございません。

      お使いの機器が心拍とパワーのANT+信号を受信でき、ディスプレイに情報を表示できるかどうかは、そのメーカーまたは販売
      代理店にお問い合わせください。